株式会社を設立するメリット・デメリットは何ですか?
Q.ご相談 株式会社を設立したいのですが、株式会社のメリット・デメリットは何ですか? |
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A.特定社会保険労務士・行政書士岩本の回答 メリットは認知度、デメリットは設立時に役所へ納める手数料が高いこと、定期的に役員の変更手続きが必要になることなどが挙げられます。 |
介護・福祉事業所を開設するにあたって株式会社を設立したいと思っても、意外と手数料が高い。
そこで、株式会社を設立すべきか合同会社等を設立すべきか悩んでいるという方も多いと思います。
このページで株式会社のメリット、デメリットをご覧頂いて、その上で設立する会社を決めて頂ければと思います。
株式会社を設立するメリット
株式会社を設立するメリットは、ずばり認知度。
介護・福祉事業所は「事業所名」を前面に出しますので、普段は会社名をあまり出すことがありません。
ただ、「採用(=人材募集)」の場面では、通常、会社名を出します。
すると、似たような条件でたくさんの会社が募集する中、「合同会社」「合資会社」に積極的に応募する方がどれだけいるか?
似たような条件であれば、「株式会社」の募集に応募する方が多くなるかもしれません。
それがここで言う認知度です。
少なくとも、「合同会社」「合資会社」よりかはお金をかけて会社を設立しているという安心感があるかもしれません。
ただ、介護・福祉の業界では、合同会社で事業所を運営する会社も増えてきましたので、それほど「認知度」を気にする必要もない気がします。
これは、人の受け取り方によってさまざまかと思いますが、認知度で言えば株式会社の方が認知度が高く、安心感があると考える方がいるのは否定できません。
株式会社を設立するデメリット
株式会社を設立するデメリットは、設立にかかる費用、その後の手続きにかかる費用が他より高いこと。
まず、設立にかかる費用ですが、株式会社の場合、最低20万円は手数料として役所に納めなければなりません。
5万円強は「公証役場」へ、15万円は「法務局」へ、それぞれ納めなければなりません。
それに加え、ご自身で手続きをする時は収入印紙代が4万円別途必要なので、合計24万円程度かかってしまいます。
それに比べ、「合同会社」「合資会社」は法務局へ納める6万円のみ(ご自身で手続きをする場合は10万円)で会社を設立することができます。
設立時にかかる費用が他の会社と比べて高いというのが、株式会社のデメリットです。
その他、株式会社の役員には「任期」がありますので、任期満了後には役員に変更がなくても法務局に「重任」の手続をしなければなりません。
現在は最大10年まで任期を延長することができますが、基本的には取締役は2年、監査役は4年の任期満了後に手続きを行うことになっています。
役員の変更手続きには、法務局へ1万円の収入印紙を貼って手続きをしなければなりませんので、変更手続きごとに1万円がかかることになります。
ちなみに、「合同会社」や「合資会社」は役員という概念ではありません(=社員)ので、任期はありません。
そのため、社員に変更がない限り、役員に関しては変更の手続きをする必要がありません。
また、株式会社は、決算終了後、決算の数字を公表することが法律上義務づけられています。
多くは「官報」と呼ばれる新聞に掲載することにしていますが、この「官報」に掲載するには数万円の掲載料が必要になります。
毎年決算公告をしなければなりませんので、毎年掲載料を支払わなければいけません。(全ての株式会社が実際に決算報告をしているかどうかは別ですが…)
以上のように、株式会社を設立するメリット、デメリットがありますので、上記のことを踏まえた上でどんな会社を設立すべきか判断して頂ければと思います。